TrueNASでSMRなHDDを使った10Gbストレージ構築

 今まで利用していたネットワークストレージの容量がカツカツになり、リプレースをしたのでその記録をしたいと思います。


新しいストレージ環境

まず、今回構築したストレージのスペックを見ていきます。
ベースとして採用したのはHP ProLiant MicroServer Gen8です。
採用理由は見た目メンテナンス性静音性拡張性です。
特に、10Gbで構築する際には基本的にNICを刺す必要があるため、PCIeのついている小型サーバはとても魅力的です。また、MicroServer Gen8はiLOを搭載しているため、リモートで物理マシンの管理ができます。BIOSの設定なんかもリモートでできます。これも選んだ理由のひとつです。そして、最終的なスペックは以下のようになっています。

CPU:Xeon E3-1220L v2
RAM:DDR3L-12800E 8G*2
NIC:HP 10Gb 2SFP+(Qlogic製チップ)
OS:TrueNAS-12.0-U2.1



HDDの選び方

スペックをみて、ん?と思った方も少なくはないかもしれませんが、今回採用したHDDはSMRという仕組みを採用しています。そして4台搭載していることからもわかるようにRAIDを前提にした構成です。SMRとCMRの違いは各々検索していただければと思いますが、簡単に言うと、SMRは複数のトラックをブロックという単位で一括して書き込む方式を採用した比較的新しい方式で、安価だがエラーや速度低下を招きやすいと言われています。よって分散してデータを書き込むRAIDには向いていないと考えられています。

しかしながら、組み立て形式のNASの詳細を見ると、SMRとCMRの混在はNGだが、SMRの利用自体は咎めて居ないものも存在する。もちろんファイルシステムやRAIDの構成によって差があると考えられるので、一概には言えないが、必ずしもダメというわけではなさそう?

というわけで人柱となってみることにした。
お金ないし...

実際どうなの?

実際の所どうなんだ?という話だが、1ヶ月の運用で体感上の問題は一切起きていない
ディスク使用率としてはRAID-z2(RAID6相当)で構築しているため実使用領域が10TB程度、そこに前のファイルサーバのデータをコピーし、3TBほど利用している。

アクセス速度も、RAMキャッシュの恩恵が大きくあり、とても速くSSD並の速度を見せている。これなら10Gb時代でもついていけるだろう。

その他、RAIDのRebuildでアホみたいな時間がかかるようになるという話もあるが、その点はまだ分からない。

ベンチマーク

搭載したディスクをUSB接続で単体検証したもの

データ投入後(1ヶ月前)のテスト結果

今回のテスト結果

追記:
4ヶ月後のテスト結果



考察

ベンチマークを見ると、十分なパフォーマンスを発揮していることがわかる。
しかし、データ投入後と今回の結果を見比べるとWrite性能が落ちていることがわかる。
これにはいくつかの原因が考えられ、特に以下3点が怪しいと思われる。
(4ヶ月後に再測定したところ、Write性能は元より速くなった)

①SMRディスクが悪さをしている
②ネットワーク環境の変化(NICの発熱, 実運用に当たり中継するSWが増えた)
③RAMキャッシュの状態


この辺りの細かい検証はまた後日ということで。




速いストレージ最高!



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