古のMiniDVをUbuntuで吸い出した備忘録

 こんにちは。

今回は、古のテープカメラのメディアであるMiniDVのデータを吸い出して一般的なPCで開ける状態にしたログを残します。



用意するもの

  • テープを読める機器(IEEE1394端子のあるもの, カメラでもいいしレコーダでもOK)
    • ヤフオク、メルカリなどで入手, 安く完動品探すの結構大変
    • バッテリーではなく常時給電がおすすめ
  • IEEE1394端子のあるPC(今回は古いPCを使ったが、拡張ボードとかでもOK)
  • IEEE1394ケーブル (amazon)
  • (クリーニングテープ, 使いすぎると良くない)
  • (そこそこの処理力があるPC, dvファイルをmp4などにエンコードするため)
  • (そこそこのストレージ, テープ一本でdv形式15GB/mp4形式4GBくらいになる)

(私は、カメラ+吸い出し用古いPC+エンコード用VM+データ保管用NASという若干複雑な感じでやりました)

吸い出し用PCのセットアップ

まずは、普通にUbuntu(20.04 LTS)が動く状態を作ります。
ちなみにスペックはこんな感じ。(雑魚すぎてエンコードは厳しい笑)
  • Intel(R) Core(TM)2 CPU T5500  @ 1.66GHz
  • MemTotal:        1494268 kB (DDR2)

Ubuntuインストールが完了したら、IEEE1394が利用できそうか確認しましょう。


次に必要なパッケージをInstallします。
> apt update && apt install libdv-bin libdv-dev

dvgrabコマンドが使えるか確認します。

ここまで問題なければDVCAMとつなぎ、以下コマンドを実行すると、吸い出しが始まります。(吸い出し前にテープの巻き戻しも自動で行われます)
> dvgrab -format raw -rewind -t -autosplit -o hogehoge.dv

なお、吸い出しにはテープと等倍の時間がかかるため、最長90分程度かかります。実行時はtmuxなどから行うことをおすすめします。

完了すると以下のように、hogehoge日付.dvのようなファイルが作成されます。
基本的には撮影時のカメラ時刻が入りますが、テープやカメラの劣化などで、意図せずファイル分割された場合などは、現在時刻になってしまうこともあります。


吸い出したdvファイルをmp4にエンコード

吸い出した状態では、dvファイルという重くて扱いにくい状態です。
そのため、mp4やwebmなどの扱いやすいフォーマットに変換します。
(処理パワーがまあまあ必要です)

まず、変換に利用するffmpegをセットアップします。
> apt update && apt install ffmpeg

つぎに、変換に使うScriptを適当に用意します。
そして、このスクリプトをdvファイルと同じ階層に移動し、
> sh dv2mp4.sh
で動かします。(こちらも時間がかかるため、tmuxなどで動かすと良いでしょう)

すると、mp4ファイルが作成されます。
(自分の環境ではVLC以外で再生するとうまくいかないことがあったのでffmpegのパラメータミスってるかもしれません。今回利用しているパラメータとしては、画質設定や必要に応じてデインターレースを行うなどです。)

容量が小さくなり、画質劣化もわからない程度なので、元のdvファイルは消してしまっても良いと思います(お好みで)。
> rm *.dv

余談ですが、webmだともう少しファイルが小さくなります(1分30秒)。


出来上がった映像はこんな感じ。


まとめ

まぁまぁ手間はかかりますが、Linux環境でもMiniDVの吸い出しが行えました。
また、データはCIFSなどで共有すると、吸い出し機・エンコード機・閲覧用PCを分けられるので便利でした。
機器が手元にある方は、是非お試しください。



なんだかんだCCDカメラの色味良い。ばいち。

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